プロフェッショナルのための半導体情報「大山レポート」No.4

大山レポート(No.4) 2025年6月30日 発刊

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販売価格8万8000円(税込)
総ページ数32ページ
ISBN978-4-9913715-5-4
編集長大山聡
発行グロスバーグ
発売観濤舎
購入サイトチップワンストップ
Amazon.co.jp

バックナンバー

100年に一度の大変革期
激動の車載半導体市場で勝ち残る企業を解説

大山レポートは、半導体やその関連材料、部材、装置などの製造、流通、調達に関わる担当者、そして半導体業界の調査分析に携わる投資家、金融機関、証券会社、調査会社、コンサルティング・ファーム、研究機関などを含む「プロフェッショナル」の方々のための半導体情報誌です。

さまざまな半導体の市況と市場予測、業界や企業の業績予測を中心に、「半導体業界のこれから」を決める重要な、技術トレンドやビジネス環境、政策などに関するトピックについて分析、予測、解説していきます。

半導体に関する業界予測や需給予測は、これまで以上に難しくなってきました。AIをはじめとする劇的な技術進化もあります。それに加えて深刻なのは、経済合理性、技術進化といった「ビジネスのルール」を基本に将来を見通す方法論が使えなくなってきたことでしょう。

あらゆる産業分野で電子化、IT化が急速に進んだ結果、半導体なくしては産業も社会生活も成り立たないという状況が生まれました。つまり、半導体調達は企業だけでなく国や地域の存亡を左右するほどの重要課題になったのです。

こうした状況を踏まえ、グローバルな政治外交問題、国内政策の動向などを押さえながら、さらには先端技術の動向を注視しつつ、現状報告にとどまらない「仕事に必ず役立つ」情報提供に特化していきます。

年4回(3月、6月、9月、12月)発行予定

対象読者

半導体の製造 / 流通 / 調達に関わるメーカ / 企業、半導体業界の調査分析に携わる投資家 / 金融機関 / 証券会社 / 調査会社 / コンサルティング・ファームなどの担当者

第4号の記事ラインナップ

COVER STORY
激動の車載半導体市場、勝ち組と負け組を隔てるもの

いま自動車業界は「100年に一度の大変革期」を迎えている。自動車の付加価値が「走る、曲がる、止まる」から「CASE」へと変化しているからだ。当然ながら、車載半導体市場はこの大変革の影響をもろに受ける。売上高ランキング上位10社の顔ぶれは大きく変わるだろう。躍進するのはファブレス半導体メーカだ。

NEWS REPORTS
EV減速でWolfspeedが白旗、パワー半導体業界の再編必至

米Wolfspeedが倒産の危機に追い込まれている。原因は、中国企業の台頭でSiCウエハの価格低下が進んだことと、電気自動車(EV)需要が下振れていることにある。倒産が現実のものになれば、それをきっかけに業界再編が始まる。恐らく、米国企業のonsemiが買収に名乗りを上げるだろう(大山 聡)。

NEWS REPORTS
中国デカップリングの副作用、Huaweiが国産5nmプロセッサ採用

中国Huaweiは、中国国内で製造した5nmプロセッサ「麒麟X90」を載せたノート型パソコンを製品化した。一般に5nmプロセスではEUV露光装置が必須。しかし現在、この露光装置は中国に輸出できない。なぜ5nmプロセッサを製造できたのか。恐らくArF液浸露光の工夫で対応したと思われる(大山 聡)。

MARKET DATA
世界半導体がようやく本格回復へ、過剰在庫問題が解決に向かう

これまで世界半導体市場を悩ませてきた過剰在庫問題。この問題が遂に解決に向かう。センサ/アクチュエータ半導体とアナログICの製品分野で、過剰在庫の整理が終わったためだ。2025年5〜9月の世界半導体市場の成長率は前年同月比21.1%増〜24.6%増に達する見込みである。しかし、まだ手放しで喜べる状況ではない。ディスクリート半導体とマイクロ(MCU)の製品分野は過剰在庫問題に電気自動車(EV)需要の下振れが重なったため、いまだ不況期を抜け出せずにいるからである(大山 聡)。

世界半導体市場動向/ディスクリート半導体の市場動向/光半導体の市場動向/センサ/アクチュエータ半導体の市場動向/アナログICの市場動向/マイクロ(MPUとMCU)の市場動向/ロジックICの市場動向/メモリICの市場動向/半導体製造装置とメモリICの市況の相関/半導体製造装置の地域別出荷額/台湾TSMCの業績/米Intelの業績/米NVIDIAの業績/米AMDの業績/米Broadcomの業績/米Qualcommの業績/韓国Samsung Electronicsの業績/韓国SK hynixの業績/米Texas Instrumentsの業績/スイスSTMicroelectronicsの業績/独Infineon Technologiesの業績/ルネサス エレクトロニクスの業績/東京エレクトロンの業績/オランダASMLの業績/米Applied Materialsの業績/ファウンドリ企業のウエハ価格推移(40n〜130nm)/ファウンドリ企業のウエハ価格推移(16n〜28nm)/ファウンドリ企業のウエハ価格推移(5nm、7nm)

GUEST PAPER
米国が策定急ぐ「FIGHT China Act」、その衝撃度と日本産業の行方
慶應義塾大学 特任教授 藤末健三氏

第2次トランプ政権がスタートを切った。現在、「トランプ関税」が注目を集めているが、米国の半導体政策にも変化が生じている。半導体産業に補助金を拠出する「CHIPS法」が廃止され、新たに「FIGHT China Act」が策定される予定だ。今後「中国デカップリング」はさらに強化される。そのとき、どのような対策を打った半導体関連企業が勝者となるのか。理系出身の政治家(元参議院議員)で、現在は慶應義塾大学で特任教授を務める藤末健三氏に「日本半導体産業の今後」を予測していただいた(本誌)。

著者

大山 聡(おおやま さとる)

グロスバーグ合同会社 代表

慶應義塾大学大学院にて管理工学を専攻し、工学修士号を取得。1985年に東京エレクトロンに入社。1992年に日本データクエスト(現ガートナージャパン)に入社し、半導体産業分析部でシニア・インダストリ・アナリストに就任。1996年にBZWジャパン証券(現バークレイズ証券)に入社し、証券アナリストとしてアドバンテスト、NEC、三洋電機、シャープ、ソニー、東京エレクトロン、東芝、ニコン、日立製作所、三菱電機、富士通、松下電器産業(社名はすべて当時)など大手電機メーカの調査/ 分析を担当した。その後もエービーエヌ・アムロ証券、リーマン・ブラザーズ証券などで産業エレクトロニクス分野アナリストとして活躍。日経アナリストランキング産業用電子機器部門で第4位(1999年)、第5位(2000年)。2004年に富士通に入社し、電子デバイス部門 経営戦略室の主席部長として半導体部門の経営戦略や分社化などを担当。2010年以降はアイサプライ・ジャパン(2010年にIHSグローバルが買収、現在はOmdia)で半導体や2次電池をはじめとするエレクトロニクス分野全般の調査/ 分析を担当。2017年に調査およびコンサルティングを主務とするグロスバーグ合同会社を設立して代表に就任(現職)。